受動喫煙のリスクについて
タバコを吸う人の周りにいる、タバコを吸わない人が健康被害を受けてしまうのが受動喫煙です。タバコを吸う人が健康被害を受けるだけにとどまらず、タバコの煙に含まれる発がん性のある有害成分は、大切な家族や友人まで健康を奪う恐れがあります。
ただ単に喫煙マナーや分煙などでは解決しない深刻な問題と言えます。主流煙はタバコを吸う時の煙のことで、吐き出すときは呼出煙と言います。さらにタバコ自体から立ち上がるのが副流煙で煙には3種類あります。受動喫煙の状態はこの3種類が合成された煙を吸っている状態と言えます。
特に副流煙は主流煙と比較した場合、発がん性物質などの有害成分が多く含まれていると言われています。また喫煙者が吐き出す呼出煙は約5分間にわたって、タバコを吸い終わった後でも吐く息から出続けます。今や科学的にも明らかなのが受動喫煙は健康に悪影響を及ぼすことです。これが原因となって大人に多いのが肺がんや心筋梗塞、脳卒中などです。さらに子どもは喘息や乳幼児突然死症候群などの危険性が高まることが知られています。
1920から1945年生まれの日本の男性の、20歳未満でタバコを吸い始めた人の72パーセントの人が70歳迄生きることができました。しかしタバコを吸わない人の72パーセントは、吸う人より8歳長い78歳まで生きる事ことができました。なお同じ調べ方で吸う人と吸わない人の女性の場合は、吸わない女性は吸う女性より10年長く生きることができました。
肺がんになる人は70歳ぐらいから増えて来ます。つまり、戦後は寿命が70歳なので肺がんになる前に亡くなっているのです。
タバコによる健康被害で多い肺がんや心筋梗塞以外にも、発症しやすい病気の中には動脈硬化や高血圧症、糖尿病や胃潰瘍、バセドウ病やうつ病など様々です。そして病気のリスクの他にもタバコの煙による、妊娠や出産への悪影響も懸念されています。